必要?

もしも。


私と秋人が付き合っていく上でなら。
それだけで考えるのならば。


不要だと思う。


でも、私は。



「絶対に必要」



真っ直ぐにそう答えた私を見て、秋人はきゅっと眉間に皺を寄せながら顔を俯かせる。

ごめん。
そんな悲しそうな顔させてごめん。



「……わかった。今日は新ちゃんとか清ちゃんと遊んで来る」

「ありがとう」


だけど、ごめんね。
これは言えなかった。


だから、心の中でだけ謝らせてね。


ふっと私の腕を掴む手の力が抜けた。
ゆっくり踵を返すと、私はもう秋人の方を振り向かなかった。



私が傷付くだけなら良かったのに。
秋人にまで悲しい思いをさせてるのに。


でも、このまま私と秋人だけ幸せになるなんて出来ない。