こうしちゃいられない。

私は麗さんに話をしなければいけない。


きっと、私しかいない。


「愛ちゃん?どうかした?」


俯き、真剣な顔をする私を心配する秋人。
返事ではなく、私は質問で返す。



「……秋人、今日麗さん家にいる?」

「え?いると思うけど。今週は引っ越し作業があるからって言ってたし」

「わかった。私ちょっと麗さんに会いに行って来る」

「は!?え!?愛ちゃん?ちょっと」


カバンを持って立ち上がると、私は秋人の言葉を無視して教室を飛び出した。



どれが正しいのか。
どれが間違ってるのか。


そんなの、私の頭じゃわかんないし、答えなんて出せない。


でも、何も言わないで出て行くのは絶対に間違ってる。
間違ってる筈だよ、麗さん。