翌日、待ち合わせ場所には既に秋人がいた。
私に気付くと、あまりにも嬉しそうな顔をするからこっちが照れて来る。



「愛ちゃんっ。おはよ!」

「……はよ」


少し俯きながら返すと、ぐいっと顔を覗きこまれて後ずさった。


「どしたの?」

「いや、その」


前よりも近付いた距離感。
それが恥ずかしいだなんて言えない。


口籠る私に、ピーンと来てしまったらしい秋人はニヤリと口角を上げた。



「ふ~ん?」



ニヤニヤニマニマと。
まじで顔がうっさい。


唇を噛んで、キッと秋人を睨み付けると私は秋人を置いてさっさと先へ歩く。


すぐに追いかけて来る秋人。
だけど、止まってやらん。



「愛ちゃん!ちょっと!」

「何」

「うわ、冷たっ!え!俺と愛ちゃんカレカノだよね!?」

「……。そうですけど?」

「あ、今ちょっと照れた?」

「……」

「ああああ、ごめーーん!うっそーーー」


いつもならこうやってからかわれると、置いて行くんだけども。