それから、私達は秋人の家を後にすると、近くにあったファーストフード店に入った。


またもや、秋人は支払いをさせない様に強引に私の財布をバッグに押し込む。
いい加減、支払いさせてくれないでしょうか。


店内の奥の席に向き合って座り、すぐにポテトを頬張った。



「あ、そうだ。明日図書館集合って二人には言ってるから」


秋人も座って、頼んだコーヒーを飲むとそう言った。
私はそれに納得の意味で一度頷く。



「これ食べたら今日は送って行くね」

「うん」

「……愛ちゃん、嫌だった?」

「え?」



急に低いテンションになって、そう尋ねて来る秋人に思わず変なとこから声が出た。


嫌だった?って、さっきの事?


そう、思いながら秋人の顔を窺うが何も答えない。
遠慮がちな視線が私とぶつかる。



「……だって、キスは」



そう、歯切れ悪く言う秋人を見て全てを理解した。