「オールしたって事は、全く寝てないの?」
「うん、全く」
「そっか。じゃあ、おいで」
「……はい?」
お茶出すかと思ったわ。
秋人は両腕を広げて、いつでも迎える準備OKって感じだ。
意味不明。
何故そうなる。
「いいから、おいで」
「……どうして」
「寝ていいから」
「いや、結構です」
「もうっ、愛ちゃんは素直に来たらいいの!」
「は!?え!?ちょ」
口を尖らせた秋人は、こっちに近付くと私の腕を取って無理矢理抱き締めた。
秋人に寄りかかる様な体勢。
「無理して来なくても大丈夫なのに。
寝坊したって、俺は気にしなかったよ」
「……そんなの、」
「わかってる。出来ないのが愛ちゃんなんだよね。
だから、寝ていいよ」
「無理」
「うーん、じゃあこうすれば眠れる?」
秋人は悩む声を出した後、優しく背中をトントンとしてくれた。
私は赤ちゃんか!
そう、思うけど。
それが思いの外、気持ちよくて。
秋人の体温も心地よくて。
まさかとは思うけど、徐々に瞼が下がって来て。
本当にまさかとは思うけど、そのまま眠ってしまった。



