「愛ちゃんは何食べる?」

「うーん。焼きそばパン」

「他は?」

「どうしようかな」

「んじゃ、色々買って来るわ」

「え?行くけど」

「いいよ、混んでるし。そこにいて」

「え、ちょ」


秋人、と言いかけるも既に秋人は人混みの中へと潜ってしまっていた。


別に私も行くのに。
きっとお金とか受け取らないんだろうな。


いいのに。


つか。


……瞬と二人きりにしないで貰いたいんだけど。


瞬は壁に寄りかかると、一度髪の毛をかき上げる。
それから、私に視線を寄越すとニヤっと笑った。


な。何。その不敵な笑みは。

思わず身構える。



「愛って面白いよな」


クスクスと笑いながら、瞬は腕を組むと続けた。