それから、昼になりいつもの様に秋人が私の元へやって来た。
後ろに瞬を添えて。


「愛ちゃーん」

「あれ、瞬」


眠そうな顔をしながら、瞬は私をちらっと見る。
だけど、何も言おうとはしない。


本当に愛想ないな。瞬は。


そう思ってると、秋人が申し訳なさそうに「瞬も一緒でいい?」と、言った。


「全然いいけど」


寧ろ、瞬が一緒でいいのか?
わかんないけど。


瞬と普通に会話した事ないし。
話した事と言えば。

と、思い返すけどロクな事を思い出さないわ。



「購買行く?」

「うん」


財布を持って、私は秋人の隣に並ぶと廊下へと出る。
秋人の反対側には瞬。



「あれから瞬、今まで爆睡だよ!学校寝に来てるよね」

「はは」

「なのに、頭いいんだよな。瞬」

「そうなの?」


やっぱりこいつも頭いいのか。
単純に素直にムカつく。

私は努力しないと順位なんて取れないだろうし。



「なあ」


瞬はけだるそうな口調で私を見ると、


「何でスリッパなの?」


そう尋ねて来た。