傾きかけていた体が静止した。 同時に力強くつかまれた腕……。 「……気を付けろよ」 不機嫌に放たれた言葉に、ゆっくりと顔を上げていく。 不意に雲から顔を出した太陽が、薄暗かった校舎を照らした。 逆光と共に私が垣間見たのは…… サラリと揺れた、漆黒の髪……。