先生か上級生か、教室の場所を聞こうにも入学式が始まろうとしているからか人っ子ひとりいないし……。 「姫乃、来た道戻ろう。ここ、なんか空き教室っぽい」 「そう、だね……」 心配そうにしている姫乃の手を引き、もと来た道へと引き返そうとしたときだった。 ―ガラッ!! 突然、すぐ真横にあったドアが、勢いよく開いたのは……。