でもありえるのか? ただの女が、威嚇のようなもので男を追っ払うなんて……。 「なんかおさげにメガネの、かなり地味な風貌の女だったって。一緒にいたもうひとりの女の子は可愛かったらしいけど」 地味な風貌の女……ね。 ますます話の流れがわからない。 そんなオレの肩を、怜が軽く叩く。 「ま、とりあえず教室行こうぜ。入学式始まる」 ……。 「ああ」 心の中に妙に荒い風を残し…… オレは静かに頷いた。