「今日は俺家まで送っていけねーや」 ジンが言う。 ジンはいつもは家の前まで何があっても どんなときも送ってくれる。 その時私の脳裏に浮かんだのは ナナというおんなのこだった。 「ねぇジン?」 「ん?」 「ずっと一緒にいてくれるんだけ?」 「あたりまえだよ」 「そっか」 私の泣きそうな顔を見てジンは 私を優しく抱きしめた。 それはとてもあたたかくて どこか冷たかった。 「泣きたい時に泣け俺がそばにいるから」 そんな言葉に私は ジンがすき。 そう確信した