ピピピピ…

目覚まし時計の音が鳴り響く。
季節は″冬″を迎えたばかり。
気温は日に日に寒くなり、朝晩の気温は一桁になったりもする。
そんな中、私【神崎 千冬】は目覚まし時計を止めて二度寝をしていた。


「千冬ー?起きなくていいのー?」


ドア越しに聞こえた母の声に反応して、なんとか薄眼を開けてスマホの時計を見る。
画面に表示される″8時20分″の文字に、私は慌ててベッドから飛び起きる。
高校2年生の私は、家から学校まで歩いて30分程だけど朝が弱い為にいつも遅刻をしてる常習犯だった。
そして今日も、慌てて準備する始末。


「お母さん!もっと早く起こしてよ!」

「自分で起きないのが悪いんでしょ?」


母の小言を聞く暇も無い私は支度が終わると直ぐに家を飛び出した。
スマホでチラチラと時間を確認しながら走っていると、路地裏に座り込んでる人影が目に入り足を止める。