伊藤の意外な答えに、春香は少し興味を持った。
「はい。花の色や種類によって、癒し効果や女性ホルモンの分泌に効いたりもするらしいんです。」
「へえー。確かに花をそういう目的で買ったことないなぁ。」
「どうです?インテリアとしても素敵ですし良くないですか?」
花のことに詳しくなれば仕事にも役立つことがありそうだしね。と、いつの間にか考えてしまっている自分の仕事脳に、春香はまたも嫌気がさした。
「本当にそんなんで女子力とやらが上がるのかね〜。」
松田は2本目のタバコをふかしながら、遠くを見つめて言った。
正直春香自身もまだ半信半疑だが、何かを始めないと何も変わらない気がするのだった。
「…今度花屋寄ってみるか。」
「はい!ほら、やる気になったことだし飲みましょ飲みましょ!」
「あんたは明日の仕事のことも考えなさい!」
--結局春香達が居酒屋を後にしたのは
夜の0時を超えていた。