遅咲きの恋は花屋にて。




「この花壇に咲いてるのは今の時期1番綺麗に咲く花だから、この中から選んでみてね。」
「はいっ。」


彩り鮮やかで、陽に包まれた花たちは翔太にはとても幸せそうに見えた。誰かを想って花を贈ることは素敵なことだと、翔太の母は昔言ったことがある。

(確かに良い事だけど、病気で辛い母さんを励ますためだなんて、なんか寂しいな…。)


母の言葉を思い出しながら、ぼんやりと翔太は考えた。
医者である翔太の父は、腕のいい外科医でそこそこ有名だ。だが、自分の担当している患者のことばかりで、妻には何もしない。
いつも父のことを考えるだけで、モヤモヤとしたよく言い表せない気持ちが翔太の心を襲う。今もまさにそうだった。


「翔太ーちょっと店番頼む!」

叔父の呼ぶ声で翔太は我に返った。