『…〜次は右側のドアが開きます。』 車内を流れるアナウンスが告げたのは、不運にも春香の反対側のドアだった。 だんだんと電車の速度が落ちて行き、次で降りるであろう人が動き始める。 電車が止まるとプシューッとドアが開き、抑えられていた春香の体が少し解放された。同時に、痴漢の手が離れる。 速く降りなきゃ、そう思ったとき、春香の左の手首を誰かに掴まれた。 「えっ?!」 そしてその手は春香を力強く、扉の方へと導いて行く。 人混みを抜けて見えたのはー