その日は明日の仕事が朝早くから、ということもあり珍しく早くに上がれる事ができた。 時刻は夜7時。日が長いとはいえもう街の灯りは暗がりに映えている。 春香はいつも通り、オフィスを出て左に曲がり駅に向かう。もう右にあるあの花屋に足を運ぶことはない。 「うわっ……。最悪。」 駅に着くと、帰宅ラッシュなのか沢山の人でホームが埋まっていた。 タイミングよく来た電車にはすでに沢山の人が乗っているにも関わらず、ぞろぞろと人が押し込み合い乗り込む。 春香もその人並みに飲み込まれ、電車に乗った。