「いや〜今日の酒は美味いなあ!!」
「…黙れ。」


駅前のいつもの居酒屋。今日は同僚の松田と春香の二人きりで来ていた。


「お前が好きな人出来たって言うから応援してやろうと思ってたのに、これだもんな〜。まさか初恋の相手が高校生、だなんてな〜。」
「人の不幸をあんたって奴は…!だいたい、声大きいのよ恥ずかしいっ。」


花屋の青年に会って三日が経っていた。伊藤には次の日すぐに報告していたのだが、松田には話していなかった。春香には、松田にこの話をしたら笑われると分かっていたからだ。と言っても、伊藤も必死に笑いを堪えていたのだが。
隣でまだ笑っている松田を見て、春香はこいつらはつくづく薄情な奴だと思った。