ーー昨日とほぼ同時刻。
残っている仕事を初めて明日に回してしまった罪悪感が、春香を襲った。でも、せめてあの人の名前だけでも知りたい。その気持ちは強くなっていた。
今なら何でもできる気がする、と春香は少し胸を張って花屋へと足を運んだ。
しかし、そんな意気込みはどこへやら。
いざ店の前までくると春香は立ち止まった。
(やばい、なんか昨日のこと思い出すと恥ずかしくなってきた。)
そもそも、彼はサクラソウの花言葉を知っていたのか。もし知っていたのなら、彼も私に一目惚れしたのではないか。いや、それは流石に自意識過剰だ。それでも私のイメージであの花を選んでくれたってことは…。
都合のいい考えばかりが、頭に浮かぶ。
色んな考えが頭の中をグルグル回っていると、
ーカランカラン
「えっ?!」
春香の目の前のドアが開いた。そこから出てきたのは……
