遅咲きの恋は花屋にて。






【サクラソウの花言葉:初恋】


飲みかけていたビールを思わず零してしまった。そしてもう一度、ベランダの植木鉢を見た。


「…私、もしかして恋しちゃった?」


言葉にした途端に、心臓が五月蝿くなる。お酒のせいもあるのか、顔も火照っていた。

「あ、暑い…!」

ベランダの窓を開けると、目の前にはサクラソウ。すぐに浮かぶ花屋の青年の笑顔。逆効果だった。


「ああーもう!明日も仕事!早く寝る!」

春香は気持ちを振り切るかのように、首を左右に振ると勢い良くベッドに飛び込んだ。