「サクラソウっていう花です。小さくて可愛いでしょ?でも紫色で花びらの形が綺麗だから、大人っぽい雰囲気もあって。」
「え、えと…。」
「あなたにぴったりだと思います!」
嬉しそうな青年の顔。よくもそんな恥ずかしい言葉を平気で言えるもんだ、と春香は思ったが心臓の鼓動は速まっていた。
(いやいや、お世辞に決まってるじゃない。何ドキドキしてんだろ私。)
そう、相手は商売だ。この一見汚れのない爽やかな笑顔はきっとこの子の武器なんだ。
断ろうと決意したその時、。
「…気に入って、いただけませんでしたか?」
「え?」
さっきまでのキラキラした笑顔から一転、凄く悲しそうにショボンとしながら聞いてきた青年。
「か、買いますっ。」
春香の口から自然とその言葉は発された。
