手がかじかんで動かない。

雪が降る12月の今、なんの意味もなく裸足でコートを着ず、手袋もマフラーもせずに、公園のベンチに座っていた。

『桜へ』

そう一言かかれた手紙の封筒に目を向ける。貰ってから約一週間なのに未だに開けない。いや、開けるはずがない。

ひゅうっと冷たい風が桜の近くを通り抜けた。手紙が飛んでいく…

静かに手紙に目を写しながら、寒さで動かない体を一生懸命動かした。

やっと、追いついて手紙を拾う。

「…うっ…うう…すみれぇ…」

我慢していた涙が溢れ、かじかんだ手に包まれた手紙は湿っていた