心の探偵

〔ガラッ!ガラガラガラ……〕

(うー!さみぃー!)

錆びついて重いシャッターをあけ、中から黒の上下のスウェットに黄色の半纏をきた無精髭のような、ピエールのような、ちょいワルオヤジみたいなのがでてきた。

お店の看板には、あなたのココロスキマを華やかにします!心の探偵事務所とかいてある。

どこかで聞いたことのあるキャッチコピーだ! ドーン!って言ったら昭和世代の人達ならすぐにわかるはずだ!(笑)

ただ、セールスマンではなく、探偵らしい!

商店街は、まだ人通りも少ない。サラリーマンと小学生の親子と、近所の爺さんと、すごい勢いで走ってくる女子高生!?

おっ!JKが走ってくる?まさか、俺のところに!?

(モテる男はツライなぁ〜! 可愛いんじゃね!?メガネどこいったっけ?)

おぉ!馬鹿兄シンイチロウ!元気か!

(なんだぁ...。 ハァ...。 彩かぁ〜!あぁ〜あ! )
あぁ〜あ!とか言うな!朝から人の顔見てため息つくとは、どういうこと?

『ちょっと、さやぁ!速いって〜!やっと追いついたよ!
あっ、おはようございます!さやの同級生の西野渚です!彩がいつもお世話になっております!』

(どうも、おはよう!彩の友達にこんなにかわいい子いるなんて信じられん!)

どういう意味?まあ、あたしが一番かわいいでしょ?世界一かわいい妹でちゅ!

((正直、遠くから走ってくる女子高生はかわいかった!だが彩には言えんな!))

(.....。)

かわいいよ!