「しばらくすれば機嫌を直すじゃろ」

 これまたしれっと発して絵画や地球のカレンダーが貼られている壁を眺める。

 この船の主人もディランと同じく地球人だったりする。

「あぁっ!? 忘れておった! そうじゃそうじゃ」

「どしたの?」

 ディランは勢いよく立ち上がったナナンに小首をかしげた。

「よく見ろ。明日はシルヴィの誕生日じゃ!」

 小さく駆けてカレンダーを杖で差し示す。

「あ、そうだったっけ」

「ほう?」

「何かお祝いをせねば!」

 ナナンは慌てるように部屋をうろうろする。

 しかし、リャムカにはよく解らないのか師匠の動きにいぶかしげな顔をした。