ファニー・スイート・デイ


 ベリルは依頼先に向かうため宇宙船を飛ばす。

 その表情には相も変わらず色は示されてはいないが、時折思い出したように口の端を吊り上げて彼なりに楽しかった事が窺える。

 まだ人類が地球のみで生活していた時代の事を思い出しているのかもしれない。

 あの頃は仲間も多く、年に何度かは馬鹿騒ぎに参加していたものだ。

 今の方が仲間は多いが、世界は広すぎる。

 馬鹿騒ぎ出来るほどの集まりはほとんどなくなった。