ファニー・スイート・デイ

「あー、うむ。シルヴィ、いつもありがとう」

「なんだそれ」

 冷やかしに手を振りながら気を取り直す。

「とにかくじゃ。おめでとう!」

「おめでとう~!」

 グラスを掲げて彼の誕生を祝った。

 そうして馬鹿騒ぎは始まる──

「ちょっ、おま!? これ酒じゃねえの!?」

 ディランはエイルクのグラスに入っている液体の匂いを嗅いで奪い取った。

「なんらよー! おいらのだぞお~」

「ここでは地球に合わせるの! エイルクはまだ未成年だろ」

「ケチ~」

「うむむ……糖分は摂取し過ぎると~。しかしう~むむむ」

 残っているケーキを睨みつけてリャムカが唸っている。

 そんなに食べたいなら食べればいいのにとナナンは呆れて弟子を見やった。

 大きなケーキはすでにほとんどなくなっていて、一人分しか残っていない。