さらに四時間後、
「お、来たぞい!」
船体に伝わる振動にナナンは通信機に手を伸ばした。
船に接近する微かな振動も感じ取れるエナジー・ブレインならではだ。
「よく来てくれた。リビングに来るんじゃ!」
<うむ>
久しぶりの来客にナナンは心が弾む。
これでは誰の誕生日なのか解らないとリャムカは溜息を吐き出した。
「ん? 誰だ?」
振動と視界に入った船体にシルヴィは立ち上がる。
ディランはベリルだなと灰色の宇宙船を見つめた。
<元気かね>
聞き覚えのある声にシルヴィの緊張もほぐれ、画面に映るベリルの顔に溜息を吐く。
金のショートヘアにエメラルドを思わせる瞳は相変わらず神秘的な存在感を放っていた。



