ファニー・スイート・デイ

 エナジー・ブレインとして不安定だった力をナナンが導き、その正しい使い方を学んだ。

 内に秘めている力はさらに強大だとも教わったが、それを覚醒させる気などない。

 父から受け継がれた血と人間との血のせめぎ合いが力を不安定にさせている。

 覚醒すればそれもなくなるのだろう。

 しかし、母の血を消し去る事など出来ない。

「めんどくさい」

 言ってシートに体を預けた。

 上位天使である父はいまどうしているのかとふと考える事もあるが、自分にどうこう出来る訳でもなし。

 とりあえずは病弱な母のために入院費は稼がないとと画面に映っているリストを視界全体に捉える。

「たまには気晴らしもいいだろ」

 ナナンたちが近くの惑星に降りた事をつぶやく。