ファニー・スイート・デイ


 コックピットで一人の青年が小さく唸りを上げている。

 背中まである白銀の髪には翡翠の髪飾りが左側に飾られ、鮮やかな緑の瞳は神秘性をにじませてその面持ちは中性的だ。

 シルヴェスタ・アークサルドは、次に受ける仕事を思案していた。

 仲間が多い分、内容にも慎重にならなければならない。

 とはいえ「なんでも屋」を生業としている手前、そうそう選んでもいられない。

 元々、彼は確かな腕前として評価を上げていた。

 仲間が増えた事により、その評価はさらに上がっている。

 ベリルも加わって鰻登りだ。

 シルヴィはその髪色から、「白銀」という通り名が付けられている。

 依頼リストから視線を宇宙空間に移す。

 コックピットから見える風景は相変わらず美しい。