しょうがないじゃん。


そう口にしかけた瞬間、気配がふわりと近づいて耳元に熱を残して離れた。



視線を上げてみれば、その顔には余裕の笑み。


吐息ぐらいで、って顔ですか?


いちいち反応してしまう私を見て楽しんでるのかその顔!




「逃がさないけど」


「きゃっ……」



完全に気を緩めてたから簡単に千景くんの腕の中に閉じ込められる。



抱きしめられるのはうれしいけど、外だよ!


信号待ちは私たちしかいなくても、照れる……っ!




「俺を本気にさせたこと後悔すんなよ」