「ち、千景くんのせいで信号渡れなかった……!」


「なんで俺」



急に顔が熱くなって、恥ずかしさのあまり適当なこと言って顔をそらす。



う〜…無理!


ドキドキしすぎて、胸が痛い。



いつもどんな顔で千景くんの前にいたっけ?


急に分からなくなって、普段通りにできない!




「あーき」


「っ……」



赤くなった顔を見られないようにと、顔をそらしたのに。


千景くんはそのままにしてくれず。



手をくいっと引っ張られて、再び向き合う形に。




「ちょっとしたことで照れて逃げようとするなんてこの先困るんですけど」


「そう……言われましても!」