「ーー離れてもらえません?」
突然の声にバチンと頭の中でなにかが弾ける。
先輩に抱きしめられていた私の腕を引き上げて、ベンチから立ち上がらせた。
腕を掴んでいるのは、千景くん。
な、なんでここに……?
「先輩にはいろいろ頼んだりしましたが、やっぱりいいです。愛生のことはもう構わないで」
「うーん……勝手だな。千景よりも俺が大事にするし幸せにするよ」
「俺がーー……っ!」
珍しく大きな声を出す千景くんに私も先輩も視線を向けた。
言葉の続きを待つこと数秒後。
「他の誰かじゃなくて俺が、愛生のこと大事にします」
いつも千景くんの言葉に、行動に私の感情はぐるぐる振り回される。
今回も例外なく、私の胸は高鳴る一方だ。



