【完】午前0時日付が変わっても



千景くんは後頭部をかきながら、私から視線をはずした。


えっと、なんでこんな話になったかは…、




「あ。あのリュック見て家出するのかなって」



「は?すっげー想像力」



「リュックの中身なんですか!」



「あれは大志にあげる服」



「へぇ、服かぁ…仲良いね!」



「ふつう」




前園くんが憤慨してるのを想像したら、思わず笑いだしちゃって。



「なに、ご機嫌じゃん」と、千景くんもふっと笑ってくれた。



こんなふうに同じ空間で笑いあうの、久々だな。



千景くんの声や表情に、寂しさが消えていくこの感覚。



まだ少し切ないけど、今は同居人として千景くんのいちばん近くに。