【完】午前0時日付が変わっても



「深山さんの甘い誘惑にふらっといかないでよ。よそ見しないで!私がよそ見したら怒るくせに」



「俺がいつ怒った?」



「前園くんが言ってた!他の人と話したり触られそうになると牽制してるって」




静かに大きく息をつく千景くんはなにも言わなくなった。



俯いたその表情が前髪で隠される。



触れたい。



一瞬ためらって、ゆっくりその頬に指先から触れた。




「本当はあのとき、俺の彼女だ、とか。俺のものだ、とか…言って欲しかったよ私」




千景くん。


こっち見て。



だめなのかな。


やっぱり……私のことも、本気にならない?