【完】午前0時日付が変わっても




電車に乗ってから家までの帰り道、私たちの間にちゃんとした会話がない。



まともに目も合わせないし。



先生が校門まで出て来た時に他校の生徒がいることを見て注意を受け、深山さんと大知先輩は先に帰って行った。



千景くんは私がカバンを持っていることにも気づかず、ひとりで教室に引き返すから慌てて追いかけた。



動揺しているのか。



ただ不機嫌なのか。



千景くんは終始無言。



私もどうしたらいいのかわからず、様子見状態。




「今日の夕飯は決まってる?」



「……悪いけど、今日は愛生のほうで何とかしてほしい」



「千景くんは?」



「まあ、適当に。ちょっと散歩行ってくる。鍵持ってくから鍵閉めて寝ていいよ」




ずいぶんと長いお散歩じゃん…


門限もあるのに。


そんな簡単に了解なんて言えないよ。




「ちょっと、千景くん待って!」




階段を上るその背中を追いかけて、部屋の前でピタリと止まる。



「他人の部屋には、なんだっけ?」


「っ……じゃあ! 私の部屋に来て!」