「千景くんー……?」



あれ、いない?


リビングに入ってみても姿がなく。


いると思ってたんだけどな。




「おはよ」


「わっ! なんで隠れてんの!」


「いや、ちょっと棚の中整理してただけ」




実はキッチンの方にいたそうで。



しゃがんでいたから、見えていなかっただけだった。



おおっ、朝ごはんがもうできてる〜!


テーブルの上に並ぶできたてのものを見て素早く着席。



さすが千景くん、できる料理男子!




「千景すごいっ、料理当番ずっと千景くんでいいと思う私」


「は? 絶対ヤダ」


「えー。あ、いただきまーす!」


「いただきます」



心底嫌そうな声で言う千景くんが向かいに座ったのを合図にやっとお箸をつけられる。