耳元で聞こえる優しい声。 抱きしめてもらえておかえりって、してもらえるとは思わなかった。 千景くんの腕にぎゅっとしがみつく。 大好き。 どこにもいかないで、千景くん。 「…俺の彼女やめちゃえばなんて言わないで」 私が千景くんから離れることなんて、考えられないのに。 ぱっと離されて、次に映ったのは立ち上がろうとする千景くんの横顔。 「…喉渇いた。愛生もなんか飲む?」 そう言いながら私の前から消えようとする。 すり抜けていく感覚。 待っ、て。 なんでいつも背中ばかり向けちゃうの?