「大事になんかできねーし、俺は誰にも本気になれない」
淡々と言う千景くんの横顔を見つめて、それどんな感情なの?って、読み取りたかったのに。
私が先に視線をそらしちゃった。
誰にも、の中に私も含まれてるのか。
そう思ったらズキっと痛みが走った。
横顔を長く見つめることができなくて、私の視線はだんだん下がっていっちゃう。
今までつきあってきた子たちのことを超好きだったと言われても、きっと微妙な気持ちになってたと思うけど。
これはこれで……モヤモヤする。
「んな寂しいこと言うなよ…超ドライだなぁー。千景、好きの感情もわかんねーの?」
「わかんね」
結婚してあげるってゆびきりしてくれた幼い頃の千景くんはどこいっちゃったんだ。