家に戻り、窓の外に目をやると、雨が更に激しく降っているのが分かった。

さっきよりも、風が出てきて、窓をカタカタと揺らしている。

走り去る車のバッグミラーで見たトオル君は、あの時、少しも動かずに、ただ雨に打たれていた。

この雨の中、トオル君は無事家に帰れたんだろうか。

トオル君のことを思うだけで、心臓がえぐられるように痛い……。