家の前まで来ると、一つの影が見えた。

「……ハルナ?」

遠目でよく見えないが、髪が長く、華奢な背格好がハルナと良く似ていた。

「片岡君!」

「小谷……」

小谷はオレが通う高校の級長だった。

「なんか、用かよ」

気持ちがささくれ立っていたオレは、小谷を睨んだ。