ロマネ・コンティを半分も飲まないうちにヤブは酔って机に突っ伏して寝てしまった。

「おーい。センセー、風邪引くぞぉ」

ヤブは、世界一幸せそうな顔で熟睡していた。

オレは隣室にある宿直室から、ブランケットを持ち出し、ヤブに掛けた。

「幸せになれよ。ヤブ」

それから、オレは残ったロマネ・コンティをヤブの寝顔をエサにチビチビ飲んだ。