吉澤の部屋は、何にもない殺風景な部屋だった。

しばらく、笑ったり、いろんな話をした後、オレ達はキスを交わした。

「かず君だったら、いいよ……」

吉澤はオレに寄り掛かってきた。

オレは優しく吉澤の頭を撫でていた。

しかし、困ったことにバスケ三昧のオレは女の抱き方すら知らなかった。

この先、どーすりゃいいんだよぉと内心、冷や汗が出てきた。

「自分を大切にしろよ」

訳の分からないことを言ってその場は逃げるように家に帰った。