ううん。

そんなはずない。

彼は今、京都にいるはずだから。

強くシーツを握り締めうつむく私の頭を、カズトはその胸に強く抱き締める。

「もう、どこにも行くなよ。もう……どこにも……」

「……うん。ごめんなさい……」

私はカズトの腕の中で、瞼に浮かぶトオル君の笑顔を必死に打ち消そうとしていた。