トオル君は、それからやっぱり無口になった。 そして、ずっと私の手を握ったまま、頬杖をついて窓の外を見ている。 私はこの前、彼の元を去った時、とっくに決心していたはずだった。 でも、こうして彼の隣りにいるだけで、ぐらぐらと心が揺らぐ。