「お前ぇ、まさかさぁ~……」

「ドアの鍵を開けたらカーナビがつくわけじゃないんだね」

「ったり前だ!エンジン掛けろ!エンジン!!」

「だって!そんなの知らないもん!」

「マニュアルを渡しただろうが!見たのか、ここ?」

俺はマニュアルをパラパラと捲って彼女に見せる。

「……あ。ホントだ」

ハルナはしきりに照れている。

確かに15歳には難問だったか……。

って、んなわけないだろーーーー!

っつーかむしろ常識!

こうして、ハルナ主導型の不安なデートは幕を開けた。

(……生きて還れるのだろうか、俺たち)