「っ…うんっ!」

私はそう言って心から微笑んだ。

「…冬夜」

「ん?」

「冬夜…」

ただ…ただ名前を呼んでいたい。

ただ…冬夜の存在を確かめたい。

「なんだよ、俺はここにいるっつーの」

そう言って私を抱き寄せる。

「…美愛」

「冬夜…」

どちらからともなく唇を重ね、抱きしめ合う。

私は冬夜の胸に顔を埋めて

そっと一滴だけ涙を流し、目を閉じた。