「はいはい。ウブ美愛」

「なっ…じゃあ経験豊富なほうがよかったの?」

すると

「…絶対無理」

と言ってスタスタ歩く。

ど、どういう意味?

絶対無理って…

「…いつまで経っても教室戻れねぇんだけど」

冬夜がそう言って振り返る。

ま、まあ何回も立ち止まってますからね…

「…悪くねぇけどな」

冬夜はそう言ってふっと微笑むと私の手を引いた。

私は未だにドキドキする心臓を抑えながら教室に戻った。