「はぁ? 健夫くんの目のがどうかしてるわよ!こんな無表情のマネキン女なんかに。
てか、あんた健夫くんの弱味でも握ってんじゃないの?
あんたに負けるなんてあり得ない!!」


ぶぅーー

なんでこんな事言われなくちゃいけないの!!


確かに私は表情が表にでない顔してるけど、健夫の弱味なんか知らないわよっ!


「絶対にそうだわ!あんた最低ね!
健夫くんは私の彼になる人なの!!
あんたなんかじゃ釣り合うわけないわよ!!健夫くんも健夫くんよ?
この女がどうなってもいいの?
私は、私の邪魔をする者は徹底的に排除する主義よ?」



「てめぇ、脅しか!最低だな」



ブチッ



なんかもうこの間宮とかいう女腹立つ



「………さっきから、黙って聞いてれば
あんた何様? 確かに私は無表情かもしれないけど
私はあんたみたいに厚化粧でごまかしてないわよ?
あと、やれるもんならやってみな!!
私はあんたなんかに負けやしないわよ!
残念ね、私はそういうこと言われた方が燃えるタイプなの。」


「なんですって ぇ〜!!!あんたこそ調子に乗ってんじゃないわよ!」


「はぁ? 私が調子に乗ってたらあんたのその態度はどう説明するわけ?」


「健夫くんはあんたが可哀想で一緒にいるだけなのがわからないの?」


「なっ!!」
健夫が口を挟む


私は健夫を見て
首を横に振った

あんたは黙ってて


「それでもね
健夫は私といたいんだって。」



「なんですってぇ〜!!
もう我慢ならない!!!
なんで私があんたなんかに言い返されなきゃならないの!!
そういえば、昔もあんたはそうだったわよね!私がどんな嫌がらせしても、飄々としちゃってさ!私は何にも感じてないみたいな顔しやがって!
あんた見てるとむかつくのよ!!」



バシーーッン!!!


と言って、間宮は私の頬におもいっきり
ビンタしてきたハズだった……


だけどその強烈なビンタを受けたのは
健夫だった。


健夫が私を庇って、顔をだしたんだ


もう!あんたのキレイな顔が傷つくじゃないの!!



てめぇ!間宮め!
いいかげんにしろよ



たけおの頬はたちまち赤く腫れてきて
しかも爪が当たって
頬から血がでている。



もう許さない!!



「た た たけお!!
大丈夫?? ちょっとあんた!
ナニシテクレテンノ
私は別にあんた程度の奴に何言われたって屁でもないわ!
でもね、私の健夫に手を上げた落とし前はしっかり受けてもらうわよ!
あの時は黙ってたけどね、健夫はあんたといない時は別の女といたわよ!
毎日変わる変わるね。健夫の特別だと思ってたみたいだけど、この男からしたらあんたなんかその他大勢と一緒なのよ!
健夫はね、そういう香水のニオイはキライよ!
健夫はねあんたみたいな自意識過剰女嫌いよ!
健夫はね人の事考えられないやつは嫌いよ!
健夫はね………」



「あああ!うるさいわねぇ!!!
そこまで言わなくてもいいじゃない!!
健夫くんが私を本気じゃないことくらいわかってたわよ!
しっかり釘を刺されてたし
いつもあんたを目で追ってるのを見てたから。
でもね、健夫くんがほしーーの!!
あんたなんか、そんな無表情でも良い男がたくさん寄ってくるじゃない!
健夫くんを
健夫くんをちょーだいよ!
わぁーーーーーーん
健夫くん私を見てよ!!!!
私と付き合ってくれないと私死ぬ!」



間宮が泣き出した……


ふん!泣けばいいと思って


私なんか今まで散々嫌がらせされたんだから!


健夫のこと傷はつけるし!!!!!!



それなのにまだわがまま言ってるし!



「健夫はあげない、あんただけにはね
死にたきゃ死ねば? でも線香の一本も健夫にあげさせないから」



言ってやりました。



はぁ、なんで私ってこんなに負けず嫌いなんでしょ。



そしたら、健夫が間宮を振りほどいて、私をギューーーッと抱き締めた



突き飛ばされた間宮は
その光景に口をアワアワさせて見ている



「天……今の本当??」


「へ?なにが??」


「健夫はあげないってところ」


「当たり前じゃない。私が健夫のモノなら、健夫は私のモノでしょーが」


「テーーン
俺嬉しい!!」


再度私に絡みつく健夫。


ほら!間宮思い知ったか!!
健夫はいつもあんたや女の子に取り囲まれてる時は不機嫌な顔しかしてないけど


本当はこんな表情もする。


私だって、そう。


いつもは無表情でマネキンの挙句に鉄の女だけど、健夫の前ではどんな顔だって見せるんだから