梶くんがせっかく褒めてくれたというのに、伊武くんがそんなことを言うから。
またお決まりのように、花鈴が噛み付いてしまう。
「悪うございましたね!」
「お前ホント黙ってればマシなのにな」
「はぁ!? そう言うアンタもねー!」
……お互い、褒めてるのかけなしてるのか分かんないよ。
けど、話を聞いてると仲が悪いわけじゃないんだよねきっと。
多分、素直になれないだけで。
なんて。そんなふたりを見ていると、ふと視線を感じて、わたしはそちらに振り向く。
「……立花くん、なに、人の顔ジロジロ見て」
そこには、なぜかこちらをじーっと見ている立花くんがいて。
ついついわたしも、つられてじーっと相手を見てしまう。
……なんか悔しいけど、やっぱかっこいいんだよなぁ。
黒の着物に濃紺の羽織が、黒髪にとても合ってて、なんか本当にそう言う時代のひとみたい。
「……かわいーじゃん」
「えっ」
なんて考えていたから、まさか向こうからそんなことを言われると思わなくて。

