それにしても、届かないなー……
どこかに踏み台かなにか、あるかな?
あたりを見渡そうと後ろを振り返ると、そこにいたのはニヤニヤ笑っている立花くん。
「ちょっ……そこにいて見てるなら、取ってよ、本」
ま、まさかわたしがピョンピョンしてる無様な姿、ずっと見られてた!?
恥ずかしい……
「取って? "取ってください"だろ?」
「……」
ド…ドSだ。このひと……。
「ぅ……、と、って、ください」
「……いーよ」
満足そうに笑ったと思えば、スタスタと近づいてきて。
わたしの前でピタリと止まったかと思うと。
私ごしに、本棚に手をついて。
ほぼ体が密着した状態で、上の方にある本に手を伸ばした。
要は、わたしは本棚と立花くんの間に挟まれている状態で。
ふわっと香る、香水でもない、自然ないい匂い。
……ってこれ、どういう状況?!?

