俺と目が合った瞬間、その茶色い瞳が揺れて。
『あ……う、うん』
と、小さく声を発したその女。
やっぱり……と思った俺は、『なんで?』と続ける。
すると。
『き、昨日、貸してあげるねって言い出せなかったから!』
と、顔をほんのり赤くして。
そう言うその子を、不思議だと思った。
それはきっと俺が、言いたいことは素直に口に出してしまう性格だからかもしれない。
『……今日は持って来てるに決まってるじゃん』
『……あ! そうかっ』
まさか、気づいてなかったのか?
バカなの?
『よ……よかった。わたし、きみが今日も忘れてたら、と思うと勉強が手につかなくて』
は? 見ず知らずの男のこと、そんな考えたりする? フツー。

